歯科診察
歯科診察
のら猫や地域猫など屋外猫に多いウイルス性疾患の対応
近年では保護犬保護猫の受診が当院でも増えております。また保護猫や地域猫を引き取る家庭も増えています。
のら猫など外にいた猫は、ウィルス性疾患を抱えている事が多く、最終的に抜歯手術をしないと平均寿命より5年前後は早世してしまいます。
これまで他院で抜歯治療をおこなってきた経験を活かし、当院でも歯科専用の高度機器を導入し、歯科診察を始めております。
当院で完結できる治療が増え、ウイルス疾患の早期治療が可能となりました。
屋外猫が抱える病気
屋外で生活している猫が、猫カリシウイルス(FCV)および猫免疫不全(エイズ)ウィルス(FIV)などのウィルス性疾患を抱える割合は非常に高いです。
また、猫コロナウィルスから発症する、猫伝染性腹膜炎(FIP)は、感染すると徐々に衰弱し、肝障害や腎障害を併発しやすく、治療しない場合は1〜2ヵ月でほぼ全例死亡してしまいます。
ウィルス疾患と歯
ウィルス疾患は、口腔で見分けがつきます。歯茎に膿、腫れが生じてくる為、これを放置すると、慢性歯肉炎や口内炎が進み、痛みで食べられなくなり衰弱していってしまいます。
当院に来院する屋外猫などの約35%に見受けられ、平均寿命の約15歳より5年前後も早世してしまいます。
一般的な治療法は、抗生物質等の薬剤投与ですが、若干の改善は見られるものの、根本的な治療をしない限り、ずっと治療を続けなくてはなりません。また、長期の抗生物質の投与は望ましくありません。唯一の有効手段は、抜歯手術です。
抜歯の目的
ウイルスにより免疫力が低下すると、歯石・歯垢の中に細菌が増えて歯肉炎や口内炎を引き起こします。歯石・歯垢は歯に付着するため、歯そのものをなくすことで細菌の住処をなくすことができ、原因を根絶することができます。
抜歯後の猫
抜歯と聞くとびっくりされたり、食事が取れなくなるのではと心配されます。
実際にはずっと続いていた口腔内の痛みやハレがなくなり、食欲旺盛になる猫が多いです。